新人看護師の離職率を改善するプリセプター制度

2022年に実施された日本看護協会の調査によると、看護職員の新卒の離職率は8.2%との結果が出ています。
また、とある調査結果でも3年以内に離職する割合が高い業界のワースト5に入っているのが現状です。
理由の1つとして、リアリティショックが関係していると考えられています。

リアリティショックとは、看護学生時代に想像していた業務や給料、職場環境などの理想と現実があまりにも乖離していることで悩みこむものです。
看護業界は誰にも悩みを打ち明けられず、職場を離れてしまう人が少なくありません。
そうした離職率を抑えるため、プリセプター制度を設けるところも出てきました。
プリセプター制度とは、看護師になって3年目~5年目の先輩看護師が、新人看護師の教育者として一緒に業務にあたる制度です。

先輩看護師は、悩みや問題点を新人看護師一人で抱え込ませないため、業務の指示やフィードバックなどを行います。
新人看護師の進捗や心理状態を確認し、精神面のフォローを先輩看護師ができるようにするのです。
新人看護師がリアリティショックを受け止め、一人で業務にあたれるようにするプリセプター制度は、実際には先輩看護師の成長にも繋がります。

看護師は、患者の容態の変化をすぐに察知しなければなりません。
新人看護師の小さな変化に気づけると、患者の変化にも気づけるようになるでしょう。
更に教育者として業務を見直すのは自分の業務を客観的に考えるきっかけとして、スキルアップにもなるのです。
新人看護師にとっても先輩看護師にとっても、良いこと尽くしなのがプリセプター制度と言えます。